大日本史の三大特筆
版本 大日本史  
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 光圀が史員に命じた歴史叙述の方法は、正確に事実を究明して記述すれば、そのことの意味はおのずから明白となり、その事実を明らかにするためには必要な事項は繁雑をいとわずこれを記載せよというものでした。そのようにして厳正に記録された事実は「善は以て法と為すべく、悪は以て戒と為すべし、而して乱賊の徒をして懼るる所を知らしめ」(正徳五年・大日本史序)ることになるであろうというのです。このような光圀の歴史叙述構想の集中的な表現が「大日本史」の三大特筆でした。@神功皇后を后妃に列する、A大友皇子を本紀に掲げ、天皇としてこれを遇する、B南朝を正統とし、三種の神器が北朝の後小松天皇に渡された時をもって皇統を北朝に帰する、これが三大特筆ですが、すべて光圀の独創で、史員の反対意見に対して、「唯々此の一事、某の為に仮借せよ、天下後世、我を罪する者ありと雖も大義の存する所、我れ豈に曲筆せんや」といって自説をつらぬきとおしたといわれています。

 

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