紀伝体
版本 大日本史  
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 光圀が大日本史の歴史叙述の様式として採用した体裁は「紀伝体」といわれるものでした。これは歴史現象の総体を本紀(帝王の伝記)、列伝(個人の伝記)、志(分野別の変遷)、表(年表・人名表など)に分類して記述するもので、中国前漢・司馬遷の「史記」(紀元前90年頃完成)にはじまり、中国正史の体裁として永く後世まで行われたものでした。我が国では『日本書紀』以下の「六国史」、徳川幕府の「本朝通鑑」など、いずれも「編年体」で、「紀伝体」は光圀によってはじめて採用された歴史叙述の体裁でした。紀伝体は「一人の終始を記することは紀伝にしくはなし」(荻生徂徠「経子史要覧」)といわれるように、さまざまな人間個人の働きを通じて歴史を叙述するには極めて有効な方法でした。

 

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