県指定文化財『旧茂木(もぎ)家住宅』について


 旧茂木家住宅は茨城県南部の行方郡牛堀町(現:潮来市)にありましたが昭和48年に歴史館に移築,復元されました。移築前の昭和45年には,茨城県の代表的民家として県から文化財の指定を受けています。


  建築された年ははっきりしませんが,江戸時代の元禄年間(1688〜1704年)であろうと推定されています。今から,約300年前に建てられたことになります。もちろん,300年間全く変わらずにきたわけではなく,住む人の都合に合わせて改築が繰り返されてきています。柱などをよく見ると,いくつもの溝が掘られていることからその変遷を知ることができます。 


  土間と広間の境に立つ柱の表面には,カンナではなく手斧(ちょうな)で削られたハマグリ型の跡がはっきり残っています。また,外壁にしし窓があることや土間に独立した2本の柱が立っていることなどが,旧茂木家住宅が江戸時代の初期の建築様式であることを示しています。


  家の形は,馬屋(うまや)などを組み込んだL字型の曲屋(まがりや)ではなく,長方形の直屋(すごや)型です。古い民家の形式には,曲屋・直屋・分棟の三つがありますが,直屋型は特に県南及び県西に広く分布していました。


 平面構成は,板敷きの広間と畳が敷かれた座敷で主要部を構成し,広間の背面にダイドコロ,座敷の背面に寝間(ねま)がある広間型といわれる形です。土間が比較的狭いわりに,広間の面積が広いなど,行方地方の特色を良く残した民家です。


旧茂木家住宅の古さを知る 5つの ポイント


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