肖像画の魅力
−歴史(とき)をみつめた
眼差し−
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歴史上の人物の容姿を描いた肖像画は、現代の私たちにとってその人物をイメージする上で欠かせないものとなっています。古来、日本では似顔絵など像をよしとしない風潮がありましたが、像主の面影を描き伝えたいという思いから、生前に描く寿像(じゅぞう)や没後に描く遺像が作られてきました。また後世に物語や伝説などからイメージして絵師が描いた歴史的人物画(想像画)とよばれる作品が作られました。江戸時代も半ばを過ぎると肖像画の像主、描き手、表現方法に変化があらわれます。特に「絵師」以外の者が描いた肖像画は、中国や西洋の技法が導入され、より写実的な方向に向かいます。幕末期から明治にかけて写真の技術が入ってくると、絵画と写真との新しい関係が成立します。写した写真をもとに絵画を描くという方法です。
本図録では肖像画が描かれた意味を考えるとともに、特に近世期の肖像画制作における技法に着目し、その表現方法の源泉を明かそうと試みました。肖像画自体が歴史(とき)の流れを見つめながら、今の私たちに投げかける「肖像画の魅力」を感じ取っていただきたいと思います。
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