霞ヶ浦・北浦・利根川・鬼怒川などの湖沼・河川は,下野・常陸・下総の北関東一帯,また遠く東北地方の物産を江戸へ運ぶ水上交通路として重要な役割を持ちました。また,このような交通・流通機構の整備は県内各地に特産品の形成をもたらしました。水戸領の「西之内紙」「水府煙草」「古内茶」,下館付近の「真岡木綿」,鬼怒川岸の「結城紬」「石下紬」などが広く知られています。さらに醤油醸造は,利根川筋より霞ヶ浦湖畔の村々におよび,なかでも「土浦醤油」は,江戸の大市場で関西方面からの「下り物」と対抗するほどに成長していきます。
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