大老・井伊直弼による尊攘派弾圧=「安政の大獄」がはじまった安政5年(1858),水戸藩の住谷寅之介,関鉄之介らは尊攘派の全国的な結びつきを組織しようと試み,西南日本各地に遊説を行いました。それまで水戸藩士とさまざまな形で接触があったり,尊攘派として知られた各地の志士をとおして,西南雄藩の上層部を動かそうとしたこの西国遊説は,井伊直弼の強権の前に,結実しないままおわってしまいました。