廻り地遺跡

廻り地遺跡模型   
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龍ヶ崎市馴馬にある縄文時代中期末から後期にかけての集落遺跡です。調査により竪穴式住居跡126軒,土壙(貯蔵用の穴など)1877基,小貝塚87ケ所が発見されましたが,貝塚は後期に入ってから形成されたもので,馬蹄形貝塚のような大規模なものではなく,小規模な地点ごとの貝塚でした。貝類では,ハマグリ・シオフキ・サルボウなどが見られ,このうち最も量が多かったのはハマグリでした。魚類では,ニシン・イワシ・アジ・スズキ・タイ・フグ・サヨリ・コイ・フナ・ボラ・ウナギなど多種にわたっており,一定期間内湾に棲息する魚と淡水に棲息する魚が存在したことが分かりました。このことから,廻り地遺跡の周辺は河川が流れ込む内湾が存在していたことが考えられます。

また,これらの魚を捕獲する漁具としては,ヤスなどが発見されていますので,刺突漁などが行われていたと思われます。しかし,クロダイ・スズキなどの対象魚は遺存した骨から20cm前後と推定されており,フナなどの淡水魚から考えても網漁の方が活発に行われていたように思われます。出土遺物の中に,土器のかけらを錘にした土器片錘とよばれるものや,浮に使用されたと考えられる軽石があることは,この網漁の存在を証明するものです。

集落が営まれていた台地には,最も人数が多かった時期で住居が7〜8軒程度存在していたと思われます。これらの住居は,台地周縁部に環状に位置し,中央を広場としての空間地としています。また,たくさん発見された土壙は,1軒につき2〜3基ほど掘られた,木の実の貯蔵用の穴と思われます。

  
  

 

 

 

 

 

 

 

 


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