農業が総生産額・就業人口ともに圧倒的地位を占めていた茨城県にも,明治中期以降,近代鉱工業がおこりました。それは多賀郡の石炭産業と日立鉱山・日立製作所でした。常磐炭田の一角,多賀郡の石炭産業は明治20年代以降急速に発展し,明治末期における茨城県の石炭産出量は,本州では福島・山口についで第3位となりました。また,県北の日立地方に誕生した日立鉱山・日立製作所は,明治末〜大正期を通じて,日本有数の企業に成長していきます。