常陸国内の津(港)は,霞ヶ浦・北浦・常陸川の沿岸に45ケ所知られています。これらの津には,海夫と称される漁民が住み,海に入って漁業をするために,海夫税として香取社に供祭物を貢納し,交通上の特権をも保証されていました。漁夫は霞ヶ浦での漁業を主とし,水上交通・商品輸送など操船の技術を生かし海上輸送を行っていたと思われます。また,津は在地領主の支配下に置かれ,国府において市が開かれていました。