極楽寺は,筑波山の南,宝鏡山の南麓に所在した寺院ですが,伝承・古記録等によるとかなり広大な寺域を含み,尼寺入廃寺や清冷院極楽寺等から構成されていたことが窺われます。鎌倉時代に入って,建長4年(1252)大和西大寺の律僧忍性が三村山に来住して律宗に改め,小田氏の外護を得て,整備・拡張が行われたものと思われます。また「正和三年」と記された文字瓦が出土していることは,鎌倉時代を通じて寺が栄えたことを示しています。