月山周枢は,嘉元3年(1305)佐竹貞義の庶長子として生まれ,佐竹一族の期待を背負って夢窓国師の弟子となり,禅の修行に励みました。常陸に帰った月山は,佐竹氏の庇護のもと,正法院内に正宗庵(後に正宗寺)を営み,禅林道場として中世の臨済宗の発展に大きな役割を果たしました。また,無窓国師を通じて足利氏との結びつきにも,大きな力になったものと思われます