水海道小学校本館は,1881(明治14)年に建築されました。1921 (大正10)年,同校の校舎移転にともない本館も移築され,玄関部 などが一部改造されました。


 1958(昭和33)年,建築当時の面影を伝え,明治初期の小学校建築の形態を保存しているので,茨城県文化財に指定されました。
 1971(昭和46)年,本館は当時の水海道市立水海道小学校から当館に寄贈されました。そして,1973(昭和48)年建築当時の設計図などをもとに,当初の姿に復元しました。
 1974(昭和49)年,当館が開館し,旧水海道小学校本館も公開しました。1976(昭和51)年からは,旧本館内部に展示室を設け,教育資料及び水海道小学校関係の資料を展示しています。

 

 

<ピアノ展示室>

 1865(慶応元)年,アメリカ・ニューヨーク市のスタインウェイ &サンズ社で製造され,製造番号は11013番です。製造当時に は,ローズウッド木地仕上でした。長さは203cm,鍵盤は85鍵 (白鍵・象牙製・50鍵,黒鍵・黒檀製・35鍵)です。このピアノ には,ヘルツ式スプリング採用・ダブルエスケープメント・レペ ティションアクションという素早い連打を可能にするメカニック
があり,これは現代のピアノアクションの原形といえます。


 

 1871(明治4)年,ハーパー夫人によってこのピアノが購入さ れ,横浜に向けて送られました。日本に洋楽が導入された幕末・ 明治維新期のピアノのうちの1台で,文明開化を象徴する楽器でもあります。


 1932(昭和7)年12月,現在の常総市立水海道小学校が同校講堂 の完成を記念して,東京の楽器店から,同校後援会の寄付金と町の予算を合わせ,1,200円で購入しました。同校では音楽の授業 や各種の儀式,音楽会などにこのピアノを活用してきました。ま た同年に片野次郎平先生が音楽教育の一環として「金の鈴合唱 団」を作ったり,その後,同校が各種の音楽コンクール等におい て素晴らしい成績をあげたりしたことも,このピアノの存在によ るということです。


 1975(昭和50)年,このピアノは同校から当館に寄贈され,翌年から旧水海道小学校本館の展示室において展示されてきました。


  平成2,3年,このピアノの全面修復がなされました。1992(平成4)年10月18日に,修復記念コンサートが当館講堂で開催さ れ,往時をしのばせる音色が甦りました。

 

<水海道小学校資料展示室>

 1875(明治8)年開校の水海道小学校(現常総市立水海道小学校)の歩みとそのルーツをたどる資料等を展示しています。

 

<輝く茨城の先人パネル展・茨城の近代化遺産パネル展>

ちょっとむかしの教室の様子が再現されています。

当時学んだ人にとってはとても懐かしい机やオルガン,給食も。


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