茨城県指定文化財
阿弥陀如来像(鎌倉時代)
 
阿弥陀如来像
・解説
 本像は,昭和30年という早い時期に県の指定文化財となりました。
 桧材による寄木造りで,衣部漆箔,玉眼嵌入。像高97.7cmで,来迎形の三尺像としてはやや大形です。頭部の螺髪や袖口の一部,両手首,両足先などが後補され,面相部には彫り直した部分がありますが,造像当初の姿はそれほど変革されておらず,体躯の部分などは当初の形をよく留めているといえます。胸の部分の質感の表現や,衣部の技巧に富んだ襞の写実的表現などには,鎌倉時代前半を代表する仏師快慶の作などと共通するところがみられます。制作者や伝来については明らかではありません。
  本像には,後補の両脇侍・光背・台座が附属しますが,共に江戸時代前半のものと思われます。光背と台座が入念に制作されていることに対し,両脇侍はやや粗雑で,技法的にも異なっているので,両像は他から転用された可能性も考えられます。
 
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