(2)佐竹氏ゆかりの正宗寺

 正宗寺は,臨済宗円覚寺派の寺で常陸太田市増井町にある。その歴史は,寺伝では,延長元(923)年,平良将が現在地に律宗寺院を創建したのが起源であり,天喜5(1057)年の前九年の役に陸奥に下向した源義家が,律宗寺院に賊徒調伏坦を築き加持祈祷を行い,密宗に改めたといい,早くから源氏と結びつきがあったことが伺える。鎌倉時代には佐竹氏の墓所となった。裏山には,現在も佐竹一族の墓がある。また,佐竹行義が正法院を建立した。南北朝時代,佐竹貞義の庶長子月山周枢が,京都の天竜寺で夢窓疎石から法を受け開山した。周枢は疎石を勝楽・正法の2寺の祖として請い,自ら疎石の2世となり,禅宗と改め境内に正宗庵を営んだ。これが,後の正宗寺である。室町時代,佐竹義篤が七堂伽藍を整備し,4万石の寺領を有した。佐竹氏が秋田へ国替えになってからは,江戸幕府により朱印100石をうけ,12か寺の末寺を有した。 

  

 

 

 

 

 

 


茨城県立歴史館
〒310-0034 茨城県水戸市緑町2-1-15
TEL:029-225-4425/FAX:029-228-4277
お問合せ
Copyright(C) 2006 Ibaraki Prefectural Museum of History All Rights Reserved.