おかだいらかいづか
陸平貝塚(国指定史跡)

 

 稲敷郡美浦村馬掛にある縄文時代中期から後期にかけて形成された貝塚で,霞ヶ浦を望む約35,000uの広大な台地上に8ケ所の貝塚が環状に分布しています。最近の調査では,1つの貝塚でも東西約130m,貝の厚さが4m以上あることが明らかにされていますし,中期以前の貝塚が存在する可能性なども指摘されています。また,貝塚から発見された貝を調べると,ハマグリ・サルボウ・シオフキ・オキシジミなどが中心となっていることが分かりました。これらの貝は内湾の砂泥底に棲息するものですし,ヤマトシジミなど汽水域(海水と淡水が混じりあう部分)に棲息する貝が見られないことから,この付近の霞ヶ浦が完全に内湾であったことが分かります。陸平貝塚は佐々木忠二郎・飯島魁の調査により,日本人の手による最初の貝塚調査として全国的に有名になりました。この調査報告で,佐々木氏は大森貝塚から出土した土器を大森(薄手)式,陸平貝塚から出土した土器を陸平(厚手)式とよび,両者の特徴の差から大森を古く陸平を新しいものとする考えを提唱しました。これは,後の時代になって年代の順序が逆であることが確かめられましたが,現在,考古学で行われている研究方法の最初のものとして高く評価されています。

 

 

 

 

 


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